紫外線殺菌機
鶏卵は、本来、卵殻に囲まれて完全に保護されています。健全な鶏卵は「クチクラ」(カルシウム殻上の有機表面層)と内側の薄膜により、バクテリアに対する自然のバリア機能を持っています。
モバ社は、鶏卵が別の鶏卵とぶつかることで相互に汚染される可能性があることを慎重に考察し、独自の方法で個々の鶏卵を取扱うことにより、鶏卵の衝突によるクチクラの損傷を克服しました。
鶏卵の搬送装置、選卵装置、パッキング装置等を使用して鶏卵を大量に取り扱う際、汚染された鶏卵(ほとんどは卵殻より鶏卵内部のサルモネラ菌汚染卵)が割れて卵液が他の鶏卵や装置に付いてしまった場合、相互汚染の原因となる可能性があります。このバクテリア汚染を克服するには、卵殻に紫外線を照射する方法がよく知られています。モバ社は特に選卵装置を対象とした紫外線殺菌装置を開発しました。
紫外線(UV-C)光源を使用し、バクテリアを強烈な光源に晒すとバクテリアを殺すことができます。多くの装置では、通常、大量の紫外線を照射しますが、テストの結果、適切な光源は253.7nm のみであることがわかっています。モバ社の装置は、従来の装置に比べ20% 以上の高い周波数で10 mW/cm2の紫外線を照射します。もちろん、エネルギー総量は適切に制御しています。最大速度での操作では、装置で生成される総エネルギー量は 47 mJ/cm2になり、この値はサルモネラ菌等の大腸菌の99.9%を死滅させるのに十分といえます。
サルモネラ菌は鶏卵内部に存在するため、汚染卵が非汚染卵になるとは限りません。しかし、汚染卵による相互汚染の潜在的危険性が1000倍以上も削減できる点が非常に重要です。
鶏卵に付着する危険なバクテリアを死滅させる他、ローラーからも同程度のバクテリアを消去できます。テストの結果、鶏卵でもローラーでもバクテリアは死滅し、インフィードコンベア内の汚染ローラーを 3 〜8回回転した後、ローラー上にバクテリアは発見されませんでした。
UV-C 光は、通常、太陽が放射するスペクトルの一部で、完全に自然に存在する光です。テストでは、大腸菌(サルモネラ菌等)が除去される一方で、卵殻の自然の微生物は保護されるため、通常の鶏卵の特性に変化はありません。
テストハウス(ID-DLO)にて実施されたテストでは、平均して104.74 〜 101.38個のバクテリアが削減しました。これは、制御下にある検査用鶏卵バッチに植えられた代表的な大腸菌バクテリア培養菌の0.044 % にあたり、99.95%以上を死滅させる結果を示しています。このテストは装置の速度を最大にして実施されました。テストの要約は添付資料 A を参照してください。
モバ社のダブルローラーの機械的特徴により、相互汚染の確率は30分の1に減少しました。この独自の装置は、紫外線照射効果を増幅し、両方の装置を組み合わせると相互汚染が30.000倍以上削減されます。今日の鶏卵業界でこれ以上の高性能装置は存在しません。
本装置は、ヨーロッパの基準、EN12198に記載された EN12198光照射放出(optical radiation emission Category)カテゴリー1 に準拠しています。 装置にはユニットからの紫外線漏れを防止するため、入口および出口に十分な配慮が為されています。ユニットを開けると、光源は自動的にOFFになります。選卵装置が長期間停止すると、ランプがOFFになります。UV-C の光はダートディテクターと干渉しません。
運転中に装置の点検を行うため、装置側面には点検ウィンドウがあり、有害な紫外線(UV-C)防止フィルタが付いています。
ユニットの長さは装置タイプにより異なります。
シングルローラー OMNIA 85, 125, 250
ダブルローラー OMNIA 125, 250 シングルローラーOMNIA 170, 330
放射力 253.7nm (最大スピード時)